【ピアノ上達のコツ】ピアノはいつから習う?何歳から始める?幼児・子供の習い事~始めどき・時期のお話
こんにちは!
オーストリア在住ピアニストのえりょんです。
昨日は半日家に籠って練習🎹を♪
効率よく時間を使うことは大切。
でもこうして時間を気にせず練習できるのは、やはり有難いですね。
納得するまで思考できること、
実のある練習に大切だと思っています。
一つ一つ、
心と体に納得させて行くプロセス
貴重なひとときでした。
♪
さて、今日は
ピアノを何歳から始めるのがよいのか
というお話をして行きたいと思います。
※ここでいうピアノとは
クラシックピアノの“演奏”とさせていただきます。
早速参りましょう☺️
ピアノは何歳から始める?幼児・子供の習い事の始め時・時期
「うちの子音楽が好きそうだわ」
「歌が好きだし習わせてみようかしら」
「子供がやりたいと言うけど
いつから始めたらよいのかしら」
とっても素敵ですね✨
ピアノを通じて音楽にふれるよろこび
是非味わっていただきたいものです。
では具体的に、
いつから始めたらよいのでしょう?
これまで20年以上、
お子さんのピアノ指導に
携わらせていただきました
私個人の経験に基づいた考えを、
今日は述べさせていただきたいと思います。
自身の長い経験に基づいた
考えということで、
割と現実的な話ができると思っています。
小学校に上がる前程度の知能がつく頃に始めるのがベスト。
平均的には5歳前後でしょうか。
(個人差大いにあり)
ひらがな・カタカナの読み書きが
出来ることそれが多少難しくても
せめて簡単な図形の認識、
この辺が無理なく出来る知能がベターです。
それはなぜでしょう。
2つの理由があります。
①楽譜が読める知能に達している必要がある
これはどういう事でしょうか。
詳しくお話して行きましょう。
クラシックピアノの演奏は、
“楽譜と共に学習されるべき” だからです。
何故なら我々演奏者は、
さきの偉大な作品を再現する
媒介者に過ぎないため。
この考え方はとても大切で、
学習の初歩からでもぜひ、
お持ちいただきたいものです。
楽譜が全てと言っても過言ではなく、
それを適切に読み取り解釈する事が
指を動かすこと ー 弾く作業そのもの 同様欠かせません。
さらに楽譜を読む作業には
正確さが求められます。
この “読譜” が少々クセモノ(?)で、
慣れるまでは忍耐の要る地道な作業。
椅子に10分とおとなしく座っていられなかったり、
集中力が発展途上のお子様には中々酷な作業です。
かと言って
決してこの作業を飛ばす・または後回しにすることはお勧めいたしません。
ですので私のレッスンの場合は、
仮にどれだけ早期に始めたとしても、
読譜の可能な知能に達しないお子様の場合、適齢期までの進歩がとても緩やかになります。
3歳から始めて6歳になったお子さんと、
5歳後半から初めて6歳になったお子さんの
“演奏レベル” がほぼ同じ
なんてこともよくある事です。
丸3年と半年の結果が同等とは…
実際にそのデータを報告している本もあり、機会があればご紹介したいと思います☺️
②ピアノという楽器には“子供用”がない
「ピアノに子供用がないなんて当たり前よね?」
と、ちょっと不思議に思われる方も
いらっしゃるかもしれませんね。
でも実は、
楽器によっては「子供用」が存在するのです。
例えばバイオリン🎻
ヴァイオリンは、
大人が弾くサイズの楽器を使えるようになるまで、
サイズが段階的に大きくなる
“分数楽器”というものが存在し、
お子さんはそれを使用します。
大人用に行くまでに
5~6段階はあったかしら?
ですので3歳頃…早くは2歳?!からでも、体を無理なく使って学習することが可能です。
しかしピアノ🎹には、
どういう訳かその様なものがありません。
何歳から始めようと
大人と同じ大きさの楽器で学習します。
手の節や腕の筋肉が未発達な子供にとって
ピアノの鍵盤はとても重く、
鍵盤たった1つだって大きなものです。
3歳前後のお子さんが、
鍵盤を手全体でバンバン叩いてしまう
なんて場面、よくお見受けしますよね。
決して早ければ良いということはなく、
無理なく音が出せる手指の大きさになるまで待つ事、実は大切になります。
♪
開始が早すぎると、
読譜がままならない年齢(知能)で始めて、
耳で覚えて弾くことを覚えてしまったり、
読譜が嫌になって
ピアノまで嫌いになってしまったり…
身体が未発達な状態で早期に始めた結果、
演奏時の変な癖が付いてしまい、
結果なかなかきちんと弾けないから
ピアノが嫌になる…
早期にリズム訓練等他事を先に覚えた結果、
何かの猿真似の様にキッチリ達者に
弾くは弾くけれど、
どこを切り取っても音楽になっておらず
弾いている本人も楽しそうではない演奏…
等々
始めるタイミングが少し違っただけで
こうなってしまうのは勿体なく悲しい事です。
また、
“一度付いた癖” を矯正するには
自信の経験上、
癖が付くまでに掛かった時間以上を
要する場合が多いですし、
せっかくやりたい気持ちから始めたのに
残念なことになってしまう生徒さん、
実は私もこれまで見て来ました。
そして一度そうなってしまったら、
お子さんの気持ちがピアノに向かない以上、
外部の働きかけがかえって逆効果となる場合も。
ですので、
始めどき🎹
保護者さんと先生の
双方でしっかり
コミュニケーションを取りつつ
慎重に見極めるべき
だと私は考えています。
少々大げさだと思われる方も
いらっしゃるかもしれませんが、
大事なお子さんの音楽人生を左右する問題だと、私は真剣に考えております。
かく言う私の生徒さんで、
過去最年少は3歳。
音楽教室で指導させていただいた生徒さんたちでした。
進度のはやい子、緩やかな子、
皆さんそれぞれでしたが、
誰一人として読譜を抜きにした指導はいたしませんでした。
この経験から、
お子さんのピアノ開始時期については
割と現実的な意見を持てるようになったと感謝しています☺️
そしてこの経験から現在は、
最低でも5歳前後のお子さんから、
レッスンをお受けするようにしています。
少し話は逸れますが、
演奏する前のプレレッスンとして
リトミックやお絵かき、塗り絵などを取り入れた
遊び中心のお稽古から始めるのは
悪くないとは思います。
しかし正直なところ、
とくに必須でも無いかなと個人的実感。
レッスンの内容が
ピアノ演奏とかけ離れる部分も多いため、
その後、通常レッスン(弾くこと)への
切り替えがスムーズに行く場合と
そうでない場合があったりもするからです。
「え、ちょっと待って、
0歳から音楽を教える教室だってあるし、
2~3歳から習う子だっているわよね。」
といったご意見のお方、
いらっしゃって当然ですよね。
0歳~ですと、
ピアノ演奏そのものというより、
音楽にふれることを
目的としている教室が沢山ありますね。
それはとても良い事だと思います。
戦後から時代が変化して行く流れの中で、
日本におけるピアノの習い事としての価値観が変わって来ていたり、
早期に教育させることへの需要が音楽にもある中、
そこへ近年の少子化も相まって、
多様な供給が生まれているのでしょうか。
それから平均的に少数な感はありますが、
3歳頃から“ピアノのレッスン”が出来るお子様がいらっしゃる事も事実です。
いずれにせよ、
開始時期については
慎重かつ的確な判断が必要に思います。
世の中にはピアノの先生が溢れています。
数多いるピアノ教師の中で、
ピアノを通じて音楽を教えられる先生に
私は果たして成れているであろうか。
指導者側の 責務 を感じずにはいられません。
そして書きながら、
仕事への責任を改めて自分に問いかけた記事となりました。
最後にもう一度結論を。
ピアノは小学校に上がる前程度の知能が付く頃に始めるのがベスト(個人差大いにあり)
というお話でした😉
それでは今日もよい音楽を♪
いつもお読みいただきありがとうございます。
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