【音大ピアノ受験】ピアノを始めてからショパンエチュードが弾けるようになるまでの10年でやった事

こんにちは!
オーストリア在住ピアニストえりょんです。

日本は入試のシーズンですね。
ピアノも実技試験の季節 🎹

一年で最も寒いこの時期、
両手にそれぞれホッカイロを握りしめ
重〜い楽譜を持って
気分はサイアク(私だけじゃないハズ)…
重〜い足取りで学校に向かった学生時代を思い出します。

受験生のみんな、がんばれ 🏁✨

今日はそんな音大入試の課題曲になる事も多い
ショパンエチュードについてお話をいたします。

ショパンエチュード

「革命」Op.10-12 師の書き込みが懐かしい私の楽譜

クラシックピアノを勉強する方なら
きっと一度は憧れるであろうショパンエチュード。

お馴染みの「革命」Op.10-12 から
「黒鍵」Op.10-5、「別れの曲」Op.10-3
「木枯らし」Op25-11 の他、

昨今SNSでは
Op.10-1(ピアノの森オープニング)
Op.10-4(ピアノの森、のだめカンタービレ)
Op.25-6(最難関 ?! とも言われる3度練習)など、
ピアノ愛好家さん方にも非常に人気で
動画をアップされる様子など見られますね。

私の生徒さんにも、
ショパンのエチュードが弾きたい
ショパンのエチュードが弾けるようになりたい
こんな目標をお持ちの方々が☺️

どんな練習をすれば弾けるようになるのか

どれくらい練習すれば弾けるようになるのか

これらはこれまで講師業の中よくいただいたご質問。

さてここで、

エチュードとは言うまでもなく練習曲ですが、

ショパンのエチュードは
「練習曲」の枠を越えた芸術作品。
魅了されチャレンジなさる方の
多さがそれを物語りますね。

そして皆さまご存じの通り、
ショパンのエチュードは大変難しい。

曲の美しさに魅せられ、
気持ちばかり早々に取り組んでしまうと

予想だにしない運指や手の使い方😱

アクロバティック(!)なパッセージ😳

これらに驚き愕然とする・・・なんてことも。

ありがたい事に私は師匠の導きで、
自身に必要な訓練を経てショパンエチュードに
取り組むことが出来たと振り返っていますが、
それでも初めて弾いたときには大変難しいと思ったものです。

簡単には弾けないショパンエチュード

だからこそ憧れる方が多いのかもしれませんね。

音大受験の課題曲ショパンエチュード

こちらは私の母校、
桐朋学園大学の2024年一般入試要項。

演奏学科ピアノ専攻の実技試験課題曲に
ショパンエチュードが2曲含まれています。

他には
・バッハの平均律I巻またはII巻から1曲
・ベートーヴェンのソナタから1曲(全楽章)

これらを全て暗譜で演奏します。

20年以上前の私の受験時と今も変わりません。

曲は指定だったり任意選択だったり、
年によって変わります。
2024年は全曲任意選択のようですね。

私の時はと言うと
1曲が指定で、もう1曲は任意選択でした。

指定曲はOp.10-8(へ長調Allegro)で、
任意のもう1曲は師匠の選曲で
Op.25-1(変イ長調Allegro sostenuto)を弾きました。

当時は東京藝大や東京音大の課題曲も同様でした。
今はどうでしょう。

ショパンエチュードまでに私が弾いた練習曲たち

今日は私がショパンエチュードにたどり着くまでに
実際弾いてきた曲たちを書いて行こうと思います。

私が6歳でピアノを始めて、
16歳で初めてショパンエチュードを弾くまでの
10年の間に弾いて来た、
いわゆる「練習曲」と言える曲たち。

取り組んだ順に以下昇順で並べてみましょう。

※当然ですがこれはあくまで一例。
 カリキュラムや手段は人それぞれ。
 演奏者や指導者、目的などによっても
 大きく変わる部分ですのであくまでご参考まで。

〜小学校低学年まで
子供のバイエル1、2(母の手ほどきで独学)
バーナム1、2(抜粋。2は途中まで)
新訂ピアノのテクニック(いわゆる緑本)
エチュードフォリスト(現在絶版、全6冊中2冊を抜粋で。楽譜が手元になく記憶ですみませんがチェルニー30番前後の難易度だったかと)
バルトークのミクロコスモス(抜粋)

小学校高学年〜
ハノン(1~38の指練習とスケール・アルペジオは全て。他抜粋)
ブルグミュラー25の練習曲(抜粋で半分ほど)
チェルニー 30番・40番・50番(全曲)
クラーマー=ビューロー 60の練習曲(確か全曲)
クレメンティ「グラドゥス・アド・パルナスッム」より29の練習曲(抜粋)
モシュコフスキー15の練習曲(全曲)

おそらく以上。
ほとんどの楽譜が東京の実家にあり
記憶の限りですみません😅
抜けているもの、気付いたら書き足します!

高校までに先生が数回変わったことや、
音大受験を目指し始めた時期の関係で、
一部教本のタイミングや進め方が前後しています。

高一の春にチェルニー50番を終える頃、
初めてのショパンエチュード
Op.10-9を弾かせてもらいました。
実のところまだ少し早かったのですが、
コンクールの課題曲ということで演奏。

「なんて弾きにくいんだろう」と
思った記憶があります。
(以降ほぼどの曲にも同じ思いを持ちます)

その後モシュコフスキーの15の練習曲が
全曲終わったところで、ついに先生から
「次はショパンのエチュードを」と。

飛び上がるほど嬉しかったのを覚えています😊

※チェルニー100番は弾きませんでした。
 チェルニーは100番、やさしい20、8小節の〜など
 講師として働く中で見た曲が多いです。
 そんな訳でYoutubeチャンネルの
 チェルニー100やブルグミュラー全曲解説などは
 自習の側面も。ご覧いただき感謝申し上げます。

一応ポリフォニー系もざっと振り返ると
プレ・インベンションを抜粋で3分の1ほど、
バッハのインベンションとシンフォニアを全曲、
他にもバッハの小曲を数十曲弾いたのち、
「平均律クラヴィーア曲集」に進みました。

大学(学部)卒業までに弾いた曲

Op.10-1、Op.10-4 冒頭1ページ

高校一年生で
初めてショパンのエチュードを弾いてから、
大学生活4年間を終えるまでに
Op.10、Op.25、ほとんどの曲を弾きました。

弾いていないのは以下3曲。

Op.10-11(変ホ長調 Allegretto)
Op.25-7(嬰ハ短調 Lento)
Op.25-10(ロ短調 Allegro con fuoco)

小さな手に負担の大きい幅広アルペジオ
試験課題から除外されやすいテンポの遅い曲
手に負担のかかる連続オクターヴなど

当時の私の目的と身体的特質に鑑みて
師匠が割愛した3曲でした。

これ以外は全て弾いたということになります。

これまで弾いてきた数々の練習曲を
抜粋かつスピード重視で
進めたことが多かったのを思うと、
ショパンのエチュードは
みっちりお稽古していただきました。

大学在学中にはその先、
ドビュッシーやラフマニノフの練習曲他も勉強。
試験の課題曲でしたため避けては通れません😉

自身の経験から生徒にお薦めすること

ここからは、
音大やピアニストを目指す等の目的で
カリキュラムを組み演奏を学ぶ方ではなく

趣味でピアノを楽しむ方に向けた私の考えです。

ショパンのエチュードを弾きたいという方は、
私の日頃の感覚では
中学生以上の学生さんか、あとは大人が大半。

皆さん趣味で楽しまれてますので、
テクニック的にはちょっとまだ早いかな…
という段階でご希望がある事も多いです。

かといってプロを目指す訳でもないので、
ショパンエチュードをきちんと弾くための
ガッチリ基礎固めカリキュラムを、となると
時間も労力もかかり過ぎてしまう。

そもそも学生さんは学業、
大人の方は皆それぞれお忙しいです。

練習とレッスンにかけるウェイトが
プロ志向組と異なるのは当然ですし、
そもそも比べるなんて滑稽なお話。

どこかでポジティヴな妥協案を見出す必要がありますよね。

大きく2つのパターンに分けられると思います。

生徒パターン① たとえうまく弾けなくても楽しめればOK

この括りの生徒さんには、
もうご自身の道をお好きに歩んでいただくのみ^^
私がどうこう申すことはありません。
いつでもGO♪

うまくいかない部分のアドバイスをさせてもらいつつ
楽しんで弾いていただきます。
そうは言えど、
長い時間をかけて培う基礎が
不足している事実は拭えませんので、
アドバイス通りにすんなり行くことは
そう簡単には・・・というところを
どこまで納得し受け入れ、折り合いをつけられるか

ここはもう生徒さん次第ですね。

そんな理由で手や腕への負担も大きいため、
くれぐれも故障にだけは
注意して練習していただいてます。

少しでも手に違和感を感じたら休む

過酷な作品ですのでこれは絶対かな。

生徒パターン② 身に付けられる技術はある程度つけて弾きたい

この括りの生徒さんには、
人生の残り時間で(大袈裟?でもそう)

あとどれくらいの期間ピアノが弾けそうか

どれくらいの曲数弾けそうか

これを予想し、そこから逆算した
無駄のないカリキュラムで
勉強していただきたいと思っています。

大人になってからでもある程度は
決して不可能ではないというのが私の考え。

私はチェルニ50番以降に学んだ

クラーマー=ビューロー60の練習曲
モシュコフスキー15の練習曲

これがショパンエチュードへの
大きな橋渡しにになったなと

今となって振り返っています。

クラーマー=ビューロー60練習曲

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こちらのクラーマー=ビューローは、

ヨハン・バプティスト・クラーマーが
作曲した84の練習曲を、
ハンス・フォン・ビューローという
リストのお弟子さんが後に選曲・編集した
60曲からなる練習曲集です。

クラーマーもビューローもどちらもピアニスト。

2人のピアニストのパワーが融合した曲集です。

一曲一曲が長過ぎず譜読みも優しめ

ハノンやチェルニーなどにありがちな
人によって単調に感じる音楽ではなく

(↑大切な基本ではあるんですけどね✨)
華やかなパッセージや複雑なハーモニーで
ショパンなどロマン派音楽への基礎になる

右手テクニック重視のチェルニーに比べて
左手の技術強化もしっかり盛り込まれている

チェルニー40番程度の技量があれば
譜読みから仕上げまでさほど苦労なく
仕上げられる難易度と長さ

そんな理由で結構オススメ。
生徒さんも楽しんで弾いてくださることが多いです😉

60曲全てはきっと多いので、
ご自身に必要なテクニックが養えるナンバーを
先生に抜粋してもらうのがオススメです。

独学でも比較的取り組みやすい曲集かと。

楽譜(全音)はこちら↓
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モシュコフスキー15の練習曲

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こちらは先ほどのクラーマーより
難易度が少し上がりますが、
個人的にとてもおすすめの練習曲です。

モシュコフスキーは
ポーランド出身のユダヤ系ピアニスト。
当時は高い尊敬と人気を集めました。

この15の練習曲はショパンエチュードの
前段階として弾かれることが多いです。

実際私もこれを全曲終えてから
ショパンエチュードに進みました。

ショパンより40年ほど年下の後世代ですが、
「ショパン以降に、ピアノのために
どのように作曲すればよいかを心得ていた」

と言われる程、彼の作品はロマン的かつ技巧的。

多作家であった彼の作品の多くが、
瞬く間に流行し真っ当な評価を得ていたそう。

モシュコフスキーの練習曲は
これまでの他のどれよりも美しくロマン的で、
一曲一曲楽しんで弾いたのを覚えています。

最後の15番が仕上がった時のレッスンで、
「 昔ね、あなたが生まれた少し後かしら…
 ホロヴィッツが来日してね、この15番を
 それはそれはもう余りに美しく弾いたのよ 」

と嬉しそうに話してくれた師匠をよく覚えています^^

技巧的なパッセージ、複雑な和声とリズム、
ショパンの作品に通じるものが多分にあり、
ロマン派の感性が養える練習曲集です。

楽譜はこちら(音楽之友社)↓
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さいごに

先ほどご紹介した2冊の教本は、
ショパンエチュードへの階段を
急なものから緩やかなものにしてくれるイメージ。

基礎力を付けたい方は是非チャレンジされてみてください。

よいテクニックを伴う表現のためには
佳作を含め沢山の作品を知る

深みのある表現に必要なことと私は考えています。

多くの作品を知る(弾く)からこそ
傑作の良さがより理解できる

私も日々勉強です。

勿論ピアノを弾く方の目標や環境他はそれぞれ。
検討の末、ご自身に合った選択を
なさっていらっしゃることと存じます。

皆さん日々ご自身のフィールドで
練習やレッスンに励んでいらっしゃる事と存じますので…

最後に我が師匠の
こんな言葉で締めくくりたいと思います。

「・・・好きに弾けばいいのよ」

(この言葉に行き着くまでの経緯や、
 ほか色々な意味も含まれてはいますが^^)

今日のこの記事がどこか少しでも参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。