【みんなの疑問あるある】ピアノ・音をずらして弾く問題について

こんにちは☀️
こんばんは🌛
ピアニストの姜 愛玲(かん えりょん)です。

今日はタイトルの通り、
ピアノの演奏で音をずらして弾くことについて
お話したいと思います。

音をずらして弾く・打ち込みをずらす・和音をずらす

ピアノに親しまれている方でしたら
このモンダイ、一度は考えてみたこと
おありかと思いますが、如何でしょう?☺️

クラシック音楽の演奏会
CDなどの演奏
今は巨匠の音楽までが
YouTubeなどでいとも簡単に
聴けたりもしますが・・・

音のタテのタイミングをずらした演奏、

よく聴きませんか?

ありますよね。

結構ありますよね?

このこと、

私は子供の頃からしばしば疑問に思っていました。

なぜズラすの?

と。

長くピアノに触れて行く中で、
いくつか気がついた事があります。

今日はこれを掘り下げて参りましょう。

【大前提】そもそも そうは「書かれていない」という話

このお話に入る前に、
大きな前提をひとつ、確認しておきましょう。

タイトルの通りです。

そもそも

楽譜にそうは書かれていない。

ということ。

音と音の入りの間に時間的な差が必要な場合、
作曲家は、休符やアルペジオなどで
ずらして弾く様 書き記します。

そうした部分以外のところで、

例えば曲の
冒頭やフレーズの冒頭

または
豊かなメロディー(例えば右手)に
一瞬遅れて入るバス(例えば左手)

この様な部分で、

ほんのちょっと、

楽譜に書くには難しい短い時間感覚の中で
0コンマ○秒…程度のずらしをする。

「書かれていないことはやらない」

がクラシックの原則ではありますが、

それならなぜ、
こうした「ずらし演奏」は生まれるのでしょう。

【答え】ではなぜ、音をずらして弾くのか

これはですね、

ピアノという楽器の
発音の特性に起因する問題
であると、お答えさせていただきます。

ピアノで一度発音され、立ち上がった音は
その後は鍵盤から指が上がる(離鍵)まで
少しずつ減衰して行きます。

一度立ち上がった音がその後、
それ以上の音量
(…という言い方をしますねここでは)
になる事はあり得ません。

このピアノ特有の打楽器的特性が、
「ずらし演奏」を生むのです。

※ピアノは鍵盤楽器に分類されますが、
 構造的には打楽器です。

響かせたい部分の打鍵を
少しだけ ずらすことで、
少しでも豊かな響きを得ようとする

という目的で、行われると言えるでしょう。

【例1】バス(左手)の上に旋律(右手)を乗せるための「ずらし」

具体例をいくつか。

まずこれです。

よぉ〜くお聴きするパターンが
この「ずらし」かと。

巨匠ピアニストさんから
ご趣味のピアノ弾きさんまで

本当に沢山、聴くことが出来ますよね。

ベースを豊かに鳴らしてから
わずか遅れて旋律を乗せる

バレエの舞台に例えると、

幕が上がって明転し、
まず初めに目に飛び込んで来るのが
舞台背景

次にバレリーナが登場

といったところでしょうか☺️

【例2】旋律の豊潤さや艶やかさを引き立たせるための「ずらし」(上・右手が先)

お次はこちら。

先ほどの1️⃣ほどあらゆる方の演奏でお聴きする…
とまでは行きませんが、

これも割とやります。

魅力的な旋律をまず先にたっぷり鳴らして、
気づかれない程度にほんの僅か遅れてバス(低音)を合わせていく。

こちらもバレエの舞台に例えると、

幕が上がって明転、
中央板付のバレリーナさんに
視線は真っ先に釘付け

といったイメージでしょうか☺️

違和感のある演奏は「ずらし」以前のことが問題の場合多し

「ずらし演奏」をテーマにした
本記事ではありますが、

そもそもなぜこの記事を書くに至ったか

という話をいたしましょう。

決して私は、
ずらすことそのもの
異議を唱える訳ではございません。

楽譜に書かれていない事は
基本的に行うべきではありませんが、
この言葉を
杓子定規に捉え流るべきでもありません。

その曲の演奏に求められている本質
弾き手のスキル(個性とも言えます)
これらを踏まえて
表現しうるものの「カタチ」のひとつとして
ずらしが必要なのであれば、

そう弾くこともあるでしょう。

そう弾いて良い

ではなく、

上記考慮した結果自然と起こるのが

ずらし

であるのならば、

それは必然。

やろうと思ってやるものではない
と申しましょうか…

違和感は覚えないはず。

聴いていて
? が生まれてしまう演奏があるとすれば、

その「ずらし」は本質的ではないのでしょう。

というよりも、
ズラす事そのものではなく、
それ以外の部分…
曲の解釈や技巧に問題があることが大半と、

私自身は経験上 感じています。

「何となく」は最も危険。説得力ある演奏を。

なんか雰囲気が出てカッコよくない?

○○(巨匠)みたいにやってみよう。

みたいな動機から、
もし「ずらし」を連発してしまったりすると・・・

あらまぁ・・・

という事になってしまいます😅

(実は私の人生で一度だけ、出会ったことがあります。演奏のほぼあらゆる部分がズレている演奏!!)

やってみよう
やってみたい

この好奇心・探究心があれば
とても素敵だと思いますが、

いつでも自分がどんな音を出しているか
ココを忘れずにいたいものですね☺️

そして、ご自分に合った音の出しかた
その曲に求められる演奏解釈と表現

伝えるための演奏技術

これらをお知りになりたい方は、

是非レッスンをご受講ください。

独学では出せないスピードで、
自身の問題と解決策を探れ、
上達スピードは格段と上がることでしょう。

皆さんのピアノライフが、
より充実のものとなりますように🍀

最後までお読みいただきありがとうございました😊

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