【ピアノが上手い人の特徴】“音楽理論は必要”とか“役立つ”とか本当?科学・哲学も交えて簡単に解説😉♪

こんにちは☀️
こんばんは🌙
お疲れ様です💨
オーストリア在住ピアニストえりょんです。

今日はいつもと少し違った角度から、
ピアノが上手い人の特徴について切り込んで行きましょう。

【ピアノが上手い人の特徴】として、以前こんな記事も書いています。

よろしければこちらも併せて是非。
↓ ↓ ↓

では本日の本題へ早速参りましょう。

【ピアノが上手い人の特徴】“音楽理論は必要”とか“役立つ”とか本当?科学・哲学も交えて簡単に解説

音楽理論は役立つ・必要って本当?

今日も結論から申し上げて行きましょう☺️

端的に申し上げると、
ピアノが上手くなるために音楽理論は要るもの。

しかし、
真っ先に、一番に必要なものではない。

と私は考えます。

なぜでしょう。

これは私が申し上げるより、
先人の言葉や歴史から紐解いた方が
伝わりやすいと思うので、そうしてみたいと思います😉

理論ってそもそも何? 理論とは

理論
“りろん” 英: theory,  仏: théorie,  独: Theorie

とは、

「個々の現象を法則的、統一的に説明できるように
筋道を立てて組み立てられた知識の体系」

を言います。(ウィキペディアより)

クラシックピアノで言うと、

「この曲のここの響きが美しい!」の
その訳(仕組み)を説明するためのもの

とでも申しましょうか。

とっても大事な気がしますね。
勉強すると非常にためになりそう。

でもどうして、真っ先に必要ではないと言えるのでしょう?

哲学の名言を引用すれば簡単にわかる?!

理論について、
20世紀前半のアメリカの哲学者
ジョン・デューイ氏が、
以下のような言葉を残しています。

「概念、理論は、
それらがいかに精密で無矛盾であっても、
仮説とみなされるべきである。
概念、理論は、道具である。
全ての道具と同様に、それらの価値は
それ自身の中にあるのではなく、
その使用の結果、
あらわれる作業能力(有効性)の中にある。」

(ジョン・デューイ)

これは簡単に言うと、
「理論は結果のための道具」
と言えますでしょうか。

更にかなり極端に言い換えると、

よい結果が出さえすれば、
理論はなんだっていい

という事になりますでしょうか。

これは科学理論の役割が
結果の予測=物質や手段を中心にして目的を追求し、その達成に重点を置く

目的は手段によって達成されるという

道具主義

という考え方によるもの。

「道具主義」という言葉は、
人々が目的を達成するために
手段や道具に過度に頼ること
を指します。
目的を達成するために本質的価値や意味を見失い、
代わりに手段や道具に依存
する傾向を表現します。

手段や道具が目的そのものに取って代わり、
それが重要視されるということ。
論理や技術(テクニック)などに対する
過度の依存や、価値の過剰評価を示しています。

なるほど、
少し見えてきたような気がいたします。

科学のお話も少し交えてみよう

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

どんなに実験と観察を繰り返し
検証を進めようと、科学理論は
決して確実なものには原理的にならない

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

科学とは、今のところまだ
反証されていない仮説にすぎない

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

これは科学哲学史の中で生まれた考え方。

あるひとつの事柄について
どれだけ多くの実験をしたところで、
我々はその「すべて」について
列挙することは永遠に出来ません。

だって「全ての場合」についてを
確かめた訳ではない(確かめられない)のですから。

他にも可能性はあり、そこには終わりがない。

その時点でそれが最良だとしても、
この先常に修正、変更、改善される余地がある。

化学理論は確実性を持つものではなく、
常に変化し、進化していくものであるということが強調されていますね。

哲学・科学の話のまとめ

さて、他分野である
哲学と科学を借りてお話を進めて参りました。

ここまでで理論について

[哲学]
理論は仮説であり、理論は道具である

[科学]
理論は確実性を持たず、常に変化し進化する

と言う結論が導き出されました。

私が申したかった事はこれです。

音楽の分野でも同じことが言えると考えています。

音楽理論とは、
先人たちが生み出した傑作が

傑作たる所以(仕組み)を紐解く

そのためのもの。

まず初めに作品があり、
その素晴らしさが何にあるのか考察し、
立てられた仮説が音楽理論 という訳です。

音楽理論、必要だけど
一番に、真っ先にではないと
言いたい理由がここにあったのです。

【結論】理論より感性が先。ピアノが上手くなるには感性を養おう

音大時代、私は音楽理論の教授に
このようなことを繰り返し聞かされました。

「偉大な作品は理論で説明がつかない」
「先に作品が生まれ、理論はいつも後に付け足される」

モーツァルトの音楽の素晴らしい部分は、
和声学でいう禁則(ルール違反)ばかりである事を、多くの例とともに教わりました。

そして教えてもらった音楽理論は、
傑作が傑作たる所以を説明するために後から考えられた手段ということも。

理論に依存・頼ることなく、
音楽を音楽として受け止めるように

音楽は感情であり表現である

決して頭でっかちにならないで

そんな事を教授は教えてくれた気がいたします。

理論をお勉強することも勿論大切ですが、

感性を養う

これを大前提・最優先して行きたいものだと、
日々思う訳であります。

一番は、沢山の良い音楽に触れる事

方法は “聴く” 量を圧倒的に増やすことですね。

ちょっと聴いて分からなかったり、
ちょっと練習して弾けなかったりするとき、
もしかしたら「やり方」や「コツ」
これらを求めてしまいがちかも知れません。

もちろん必要なことです。

でももしこれらをまず習得したとしても、
(今日の話だと理論だけを知っても)
演奏に説得力は生まれにくい。

音楽を音楽として受け取れているのか。

ピアノが上手い人の特徴には、
演奏に音楽を存分に感じさせてくれる部分にもあります。

音楽そのものの美しさ

これをまず感じて

感動して

渇望して

触れていく中で理論を学ぶ

そうする事で、
しっかりと根の張った音楽が出来ることでしょう。

最後に今日のお話の参考にさせて頂いた図書を
ご紹介いたしまして終わろうと思います。

【参考図書】哲学的な何か,あと科学とか(飲茶)

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難しい哲学書や参考書は苦手💦
でもちょっとお勉強してみたいな

そんな方には非常に読みやすく分かりやすい本だと思います。
(私は就寝前の読書用に入手→3日で読了)

次はこちらも読んでみたいと思います。
昔から数学が苦手ですが、
音楽と数学は結構つながっているので
勉強しなければなりません。
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ご覧いただきありがとうございました。
それでは、今日もよい音楽を😉

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