【ショパンについての本・コレは確実にオススメ】弟子から見たショパン〜そのピアノ教育法と演奏美学〜|ショパン研究の決定版|演奏法の人気解説書
こんにちは!
オーストリア在住ピアニスト えりょんです。
今日はとっておきの本をご紹介いたします。
折角の機会。ですのでご紹介はいつも、
自身が心の底から “良い” と思うものだけを
ご紹介いたします😊
本日はショパンについての本を。
早速参りましょう。
弟子から見たショパン 〜そのピアノ教育法と演奏美学〜

ピアノといえばショパン
クラシックで弾いてみたいピアノ曲といえばショパン
みんな大好きショパン
と、あまりに偉大で有名な作曲家
それがフレデリック・ショパン。
そんなショパンについて、
皆さまはどんな事をご存知ですか?
生年月日や生きた国、
性格などの人物像、
今も世界中の人々に愛される数多の傑作たち…
色々思い浮かぶことと思います。
またこれらは伝記を読めば
簡単に知る事が出来ますね。
今ではGoogleやChat GPTも。
少し検索するだけで簡単に教えてくれます✨
しかしショパンはすでに、
この世に存在しない人物。
しかも170年以上も昔の時代を生きた人
リアルに想像するのは少し難しいかもしれません。
だからこそ、
彼の曲を深く分析し、解釈することに意味があり、
そしてそれこそが即ち
クラシック音楽の醍醐味でもあるのですが…
例えば皆さん ?
もし、ショパンに直接師事した(習った)事のある
お弟子さんたちのお話や、
私的な日記、書簡、
口述したり伝わっている思い出話などが
これらが今も残っていて、
現代において見る(読む)事が可能だとしたら、
どう思われますか?
「ふ〜ん・・・あればいいよね、
あれば。」
なんて思われますか?
と、思われたソコの貴方!?
あるんです。
あるんですよ。
その名も
弟子から見たショパン
〜そのピアノ教育法と演奏美学〜

増補最新版
「弟子から見たショパン」
そのピアノ教育法と演奏美学
[著]ジャン=ジャック・エーゲルディンゲル
[訳]米谷治郎/中島弘二
音楽之友社
商品詳細(Amazon)
https://amzn.to/3ur3DHL
厚み3cm程の読み応えある書籍。
この厚み、伝わるかしらと
スマホを置いて写真を撮ってみました。

なぜこの本を私がご紹介するのか。
理由をお話しますね。
ポイントは3つあります。
この本をオススメする3つの理由
1️⃣長らく売り切れ&プレミア価格書籍の増補最新版
実はこの本、元の出版社である
スイスのバコニエール社が倒産。
新版としてパリのファイヤール社から
出版された版に拠っているもので、
第4版の全訳となります。
日本では長らく売り切れで、
中古品を見つけても
トンデモないプレミア価格で出回っていました。
そのプレミア版でさえも買われて行き、
非常に入手困難な状態が続きました。
私も数年越しで目をつけておりましたが、
長らくそんな調子で到底手が出ず…
そんな中、待ち望んだ増補最新版として
この度発行されましたのです。
2️⃣20人以上の直接の弟子の証言からショパンの真の意図に迫る
この本の中身は、
第一部に、技法の基礎と様式の理論
第二部に、ショパン作品の解釈について
付録として
●ショパン本人自筆のピアノ奏法草稿
●弟子などが注訳を書き込んだ楽譜
●同時代の人々が捉えたショパンの演奏
これらが収められています。
通して 弟子たちの証言が基礎的材源 で、
その補足として
弟子の弟子、親しかった人たち、
ピアニスト兼作曲家、
批評家兼音楽記者などのうちで、
ショパンの演奏を聴いたことのある人たち の
主な証言が取り入れられています。
以下、アマゾンの商品紹介より引用です。
~本書は、初版発売以降の約40年にわたる研究成果が反映された第4版に、未刊の原資料を加えた邦訳新版である。 直接の弟子を中心に、同時代の作曲家、演奏家、親しかった人たちなどの証言、楽譜、書簡集などから、疑いの余地のない資料のみを抽出。それらを丁寧に分析しながらピアノ技法とその教育法に対するショパンの考え方を読み取り、それらがどのような音楽的美学的背景から生まれたものかを探っていく。多くの資料に目を通すにつれ、個々の資料の持つ意味がより鮮明に浮かび上がっていくよう、資料類を著者による詳細な注釈とは別に独立した形で提供するという配慮もなされている。 「ショパンの真の意図を知りたい」という著者の強い思いから生まれた“ショパン研究の決定版”!~
個人的には
『…疑いの余地のない資料のみを抽出』
という部分に信頼がおけると感じています。
3️⃣ピアノ演奏技法・様式の基礎・ショパン本人の指示が資料(写真・楽譜)として整理されている
そして何と言っても、
ショパンの沢山の作品たちが
それぞれポイントではありますが、
譜例付きで解釈されています。
見て頂くのが一番早いと思いますので、
目次だけほんの少しお載せいたします。

沢山の作品の解釈(弾き方)が、
実際の譜例(楽譜)とともに書かれています。
このページの先にはプレリュード、
ソナタ、スケルツォ、ワルツ、ポロネーズ…
ショパンのピアノ曲ほとんどのジャンルが
並んでいます。
時間を忘れてぐんぐん読み進めてしまいます。
例えばこれまで先生に、
「ショパンの音はこうよ」
「ショパンを弾くときのタッチはね」
「ショパンの曲の装飾音は…」
「ショパンのペダルは…」・・・
など言われたご経験のある方には、
具体的な考え方や奏法について
大きな助けをくれることでしょう。
ショパンの真の意図を知りたい
そんな著者の思いから生まれた
ショパン研究の決定版
以上、お薦めしたい3つの理由でした。
研究書(参考書)としてはかなりの安価
商品詳細(Amazon)
https://amzn.to/3ur3DHL
本だと思うと「ちょっとお高いな…」と
感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
参考書・研究書ととらえると妥当で
むしろ安価な方だと私は見ています。
例えば先生に付いて
ピアノ演奏のレッスンを受けるとなると、
たった1回のレッスンで
この本1冊分の料金をゆうに超える事は
決して珍しくありません。
音楽を学ぶってお金がかかりますね…
また音楽を専門的に学ぼうとするとき、
専門書を手に取り価格を見ると
1冊1万円を軽く超える事もごく普通です。
これはどの分野でも同じかもしれません。
そう考えたときに私は、
これ1冊で得られる知識には
大きな価値があると考えます。
この本、最近供給が安定して来たのか
以前より品切れが減った気がしますが、
それでも少し目を離した隙に在庫切れとなっています。
(その度当記事のリンクを貼り直すため記憶しています)
昨今のSNS効果で、数年前に比べて
人気が一気に加速したように感じます。
ご興味ある方はどうぞお早めに。
ショパンを弾くために役立つ知識と情報が、
惜しみなく盛り込まれています。
これは余談ですが、
私は日々のレッスンで
ショパンを弾く生徒さんには、
演奏指導の傍ら、雑談として
ここに書かれている内容をお話したり、
参考資料としてコピーをお渡ししたりしています。
ピアノの先生にとっては、
そんな使い方が出来るかもしれませんね😉
今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは今日もよい音楽を☘️