【オススメの本】キンノヒマワリ ピアニスト中村紘子の記憶
こんにちは。
ピアニストのえりょんです。
今日は久しぶりに本のご紹介をしたいと思います。
自粛 自粛 また自粛の日々…
あらゆる事が中止になり、
時間がたっぷり生まれ
「さぁ何をしましょう」
なんてお方、いらっしゃるのではないでしょうか。
こんな時こそ時間を上手に使って
少しでも知識を身に付けられたら素敵ですね!
と言う訳で本日はこの1冊。
キンノヒマワリ ピアニスト中村紘子の記憶

「キンノヒマワリ ピアニスト中村紘子の記憶」
高坂はる香(集英社)
言わずと知れた、
戦後日本のクラシック音楽界を率いた
大ピアニスト、故・中村紘子さん。
これは彼女を振り返り、
周囲の人々の証言をもとに、
また中村紘子さんご自身の著作をもとに、
高坂はる香さんが綴られた「回顧録」です。
高坂はる香さんは、ピアノ音楽誌「ショパン」
編集部でのお仕事をキッカケに中村紘子さんと出会い、
数年にわたり、国際コンクール審査員としての彼女に
インタビューをして来られました。
中村紘子さんの人生とその功績 名言も交え
戦後急激に変化した日本社会
その中を生きた中村紘子さんのご活動
ときに反発を招くこともあった
彼女の大胆な言動も取り上げながら、
その背後にあった意図を探るべく
日本を代表するピアニストとして
覚悟をもって歩まれたであろう、
彼女のお人柄や生き様を
様々な視点で振り返られています。
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中村紘子さんご自身のエッセイを
すでにお読みになられた方は、
もしかしたら既知のエピソードが
あちこちに見られるかも知れません。
※中村紘子さんは素晴らしい文才の持ち主で、ピアニストであり文筆家でもありました。その文体は鋭い観察眼と洞察力に富んでいて、抜群のユーモアのセンスもあり数々の名著が。私もエッセイを数冊楽しく拝読しました。以下彼女の著書の一部です。こちらも是非。
●ピアニストという蛮族がいる (中公文庫)
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●チャイコフスキ-・コンク-ル: ピアニストが聴く現代 (中公文庫)
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●どこか古典派 (中公文庫)
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さらさらと読みやすく、
彼女の生きた道
ステージ
国際コンクール
若手育成への情熱・・・
クラシックピアノ業界の
アレコレ、内情・・・
スーッと頭に入る読みやすい構成です。
余談ですが思い出すことをここに。
2016年2月、於:サントリーホール
「浜松国際ピアノアカデミー
第20回開催記念コンサートシリーズ」
チョ・ソンジン、河村尚子、上原彩子さん
ご出演の東京公演。
私、客席で大変な感動をいただきました。
この公演のオープニングに、
音楽監督として中村紘子さん自ら
舞台に上がられ、ご挨拶されたときのこと。
ユーモアたっぷりで、
ときに胸がキュンと切なくなるエピソードも交え、
オープニングとは思えぬ長いトークをしてくださいました。
このわずか5ヶ月後に
もうお目にかかれなくなるなんて。
本を読みながら、
改めてお美しい方だったなと。

そしてこれほどのお方でも、
楽譜の上にコーヒーカップを置いたりして
コーヒー染みを作ったりするんだなと、
(私はピアノの弦にこぼしたことが…陳謝です)
これはそのショパンの楽譜

中村紘子さんの楽譜
尊敬から親近感まで、色々な感情が湧いて来ます。
※写真は本より引用
最後までお読みいただきありがとうございました。
今日もよい音楽を🍀