【必要♪クラシックピアノのおすすめ練習曲】〜ハノン・チェルニー・ショパン〜その成り立ちと、練習の意味や効果について

こんにちは☀️
こんばんは🌛
ピアノの姜 愛玲(かん えりょん)です。

今日はピアノを勉強していれば

ほとんどの方が通る道

練習曲

についてお話をしたいと思います。

ピアノの練習曲

F.CHOPIN エチュード Op.25-1より

あまり好きじゃない方
苦手な方
嫌すぎてやめてしまった方
(イヤ系ばかりになってシマッタ💦)
はたまた楽しく勉強して来られた方

色々かと思います。
ちなみに私姜は、練習曲

結構好きでした☺️

ハノン
チェルニー
クレメンティ
クラーマー=ビューロー
モシュコフスキー
ショパン
ドホナーニ

ひと通り弾きました。

さらにはドビュッシー
スクリャービンやラフマニノフ…

もちろんこれらも弾きました。

どれも退屈などせず楽しく勉強する事が出来ました。

そんな練習曲ですが、皆さんは
その成り立ちについて
考えたことはありますか?

作曲家さんたちも、何も弾き手を苦しめるために(笑)
これらを作った訳じゃないですよね😅

今日は代表的な練習曲の成り立ちを明かして行きます。
これを読み終える頃には練習曲が苦手な人も、
少し気持ちが変わるかも?!

では参りましょう。

ピアノの練習曲〜その成り立ちについて

まずは指の練習曲として皆さんお馴染みのハノンから。

【HANON】THE VIRTUOSO PIANIST(全訳ハノンピアノ教本)

はい。そうです。

これは、

ドミファソラソファミ・・・

と連続して指を動かし続けていくアノ練習曲です。

実はこのハノンの教本には
正式名称があります。

ピアノの名手になる60練習曲
Le Pianiste Virtuosite en 60 Eexercises

シャルル・ルイ・ハノン(1820-1900)
フランス生まれの教会オルガニストでピアノ教授。
この曲集はローマのポンティフィカル・サントセシル音楽院の作曲科名誉教授の頃に書かれました。
ハノンは曲の速い部分や難しい部分(オクターヴやトリル、トレモロ)を補い、弱い指を訓練するための短時間の練習方法を長年考えて来ました。
そうして出来たのがこの曲集。

1.指を動きやすくする
2.指をそれぞれ独立させる
3.指の力をつける
4.つぶをそろえる
5.手首を柔らかくする
6.よい演奏に必要な特別な練習を全部入れる
7.左手が右手と同じように自由になる

これがこの本の目的です。

スケール・アルペジオ・カデンツ・半音階・和音…と、演奏に必要な幅広い基本テクニックが身につきます。

ハノンはこの本を、
「初見で弾ける」
「全巻1時間で弾ける」(異議あり?!😒)
「これが身につけば優れた芸術家の秘密である
真珠の玉のような音色の澄んだはっきりとした
磨かれた美しい演奏に行き着くことが出来る」

としていて、

“ピアノの難しさを解くカギ” として皆に捧げる

と遺していますので、

初心者さんにもおすすめです。

私はこのハノン、
単に指を動かず=鍛える
みたいな考え方ではなく

やはり「アタマ」の練習
イメージ的には
頭からそれぞれの指先への10通りの「道」
これを太くしっかりした道として「開通する」
こんな意識を持って弾きます。
(最近弾いてないのでたまには弾こうかな)

ではお次へ☺️

【CZERNY】ETUDES DE MECANISME Op.849(チェルニー30番練習曲)

100番や、40番50番そして60番までもがありますが、
今日は30番を取り上げましょう。

チェルニーがどんな人だったか
皆さんご存知ですか?

カール・チェルニー(1791-1857)
ウィーンに生まれウィーンに没した、チェコの血を引く人物。
何とあのベートーヴェンの弟子でした。
後に師のベートーヴェンを感嘆させる程のピアニストになりましたが、
どちらかと言えば作曲家・ピアノ教師として活躍した人です。
チェルニーの弟子にはこれまた何と、
リストやクラーク、レシェティツキ✨がいるんですよ。

チェルニーは1,000を超える作品を書きました。
作品数バッハ並み😱
ミサ、レクイエム、シンフォニー、コンチェルト、序曲、室内楽曲、合唱曲…
練習曲が有名なのでこう知ると意外ではありませんか?
中でも最も価値ある作品となったのが練習曲です。

標題の通り「メカニズムの練習」が目的で、
高度な技術を習得し、音楽的な基礎感覚を養うために書かれています。

そのなかで、
より美しく芸術的にするためにはどうすればよいか
これを常に頭において、
音楽的感性を養うように練習する事が大切です。

初めてエチュードに触れる年齢で出会う100番と、
その次に出会う30番を難しく感じる方が多いと思います。
これらをしっかりコンプリートする事で、
40番、50番と進んだ際に無理なく力を付けていく事が出来ます。
50番が無理なくさらっと弾けるようになる頃には、
易しい曲を美しく奏でるテクニックが十分身に着きますよ。

【CHOPIN】ETUDES Op.10 , Op.25(ショパンエチュード作品10、作品25)

さて。そろそろこの辺で
練習曲の金字塔を取り上げると致しましょう。

ショパンの練習曲集です。

ショパンの練習曲は、
これまでの練習曲とは一線を引く芸術的な美しさ
演奏テクニックが生み出す鮮やかで煌びやかな響き
この両方を併せ持つ
ピアニスティックな傑作です。

この作品的な美しさに惹かれて
取り組む方も多いのではないでしょうか。

難しいですよね。いや〜難しい。
私も全曲やりました。
どの曲も大変でしたが、余りに美しいので練習を苦痛に感じた事は一度も無く、どの曲も喜んで弾いたのを覚えています。

このショパンの練習曲集は、そのほとんどが
ショパン自身のピアノ協奏曲(0p.11とOp.21)のテクニック練習のために書かれました。
ほとんどの曲は、何とショパンが19歳の頃に書かれました。

このショパンの練習曲に取り組むと、
技巧錬磨のためのものとして出発しながら出来上がったものは輝かしい芸術品であったということ

即ち

ショパンにとってピアノ技巧の上達の概念は単なる機械的なものではなかったこと
遅い曲(Op.10-3、10-6、Op.25-7)を練習曲として発表したことで彼の技巧の概念の広さや意図が十分にわかること

こんな宝物を得る事ができます。

最後にショパンの言葉を。

芸術家は決して全体を見失ってはいけません。まとまりが絶対に必要なのです。もしも、余り細部にとらわれすぎますと、全体を結び合わせている「系」が切れてしまい、「首飾り」の代わりに、手の中には唯一の「真珠」が残っているということになるでしょう。

出典:山崎孝校訂・井口秋子監修「ショパンエチュード集作品10 原典版」(全音楽譜出版社)

手の小さい姜にとっては
拷問のような曲たちばかり(笑)でしたが、
若い時の勢いと、何よりショパンが連ねる音たちの芸術的な美しさ(これは練習曲の中でダントツ。と言うより「練習曲」とタイトルこそ付いていますがそのジャンルの枠を超えた次元の芸術作品だと思います。)に魅せられて、
夢中でさらった学生時代が懐かしいです。

今では当時とはまた違った
曲への解釈と、
体の使い方の工夫で、
時間が出来ては弾く、心の友のような曲集です。

もっとも、お友達と思っているのは私だけで、
エチュードさんの方はそんな風には思っていないかもしれませんね😉
より美しく、芸術的に弾くにはこれから先もずっと、向き合っていく必要があるんですもの。

そうそう。
余談ですが、
前にあげた芸術的な遅い曲たちは、学校の試験の課題曲からは除外😱されますので、満遍なくお勉強しましょうね😉

如何でしたでしょうか。

練習曲をさらったり
技巧を凝らした曲に触れる度に
私が身に染みて感じること

それは

テクニックはテクニックのために在るべからず
それはいつでも芸術のために存在しうる

ということです。

音楽にふれる豊かな日々

音楽に親しむ人の長い歩み

音楽と生きる人間の終わりなき道

音楽を生み出す人間の苦悩

それぞれの関わり方がおありでしょう

その全ての方々に
芸術の本質を忘れずにいさせてくれる
ひとつの明るい灯火となってくれる

それが

練習曲(エチュード)

ではないでしょうか☺️

それでは今日もよい音楽を♪
お読みいただきありがとうございました。

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