【楽譜の読み方・弾き方を知って解釈を深めよう!】⑤形式について・ソナタ形式を例に

こんにちは☀️
こんばんは🌛
ピアノの姜 愛玲(かん えりょん)です。

今日は形式について
お話をしたいと思います。

形式

これは大変広いテーマですね。
ですが楽譜をしっかり読んでいく上では
とても大切な部分ですので、
しっかりおさえておきましょう。

ここで述べる音楽における「形式」とは、
楽曲がどのように構成されているか というもの。

形式と言っても様々で、
ソナタ形式、フーガ、変奏曲など
それぞれにより解釈がかなり変わって来ます。
全ての形式について詳しく書くとなると
膨大な長さになりますので(笑)、

今日はソナタ形式の作品をひとつ取り上げます。

それを例に、
曲の捉え方演奏上の注意点
お話しして行きたいと思います。

その前にまず!

押さえておきたいポイントが。

どんな「形式」にも、

アイデアの

繰り返し

変化

相違

対照 など

これらの要素が関わっているという事。

そしてそれぞれの時代によって
それには 特徴 があるという事。

例えば…
ルネッサンスの音楽では
アイデアを 変化 させる方法が
最も多く用いられて来ましたね。

バロック時代の曲では
アイデアの 繰り返し によって
作品に統一感を出し、引き締めます。

またバロックの組曲は、
それぞれの舞曲が異なった性格を持ちますが、
その 相違 が、
やがて到来する古典派時代への 対照 へと繋がっていく。

このような流れを辿ります。

さて、続く古典派時代ですが、
古典派の代表的な形式として
ソナタ形式があります。

複数のテーマや部分から成り立つソナタは、
そのテーマや部分に、
例えば「激しさ」と「優しさ」など
対照的な個性が与えられて、
それを対比させたり
ときに融合させたりしながら
ひとつの形式が作り上げられているとも言えますね。

ソナタ形式

ソナタ形式の構成は基本的に
(序奏)→提示部→展開部→再現部→(結尾部)
から成ります。

この形式が古典派ソナタの第一楽章に
多く用いられたことから、
「ソナタ形式」と呼ばれるようになりました。

提示部展開部再現部
第1テーマ→(推移)→第2テーマ
T(トニック)   D(ドミナント)
自由な転調第1テーマ→(推移)→第2テーマ
T(トニック)   T(トニック)
※短調では平行調に転調する

提示部と再現部のちがいは調性。

提示部の第2テーマは、
第1テーマの関係調で現れます。

第2テーマが無いソナタもありますが、
その場合も、第1テーマがその後 関係調に転調して登場したりします。

展開部に入ると
自由な転調でドラマがいくつも起こり、
どこかで特別な盛り上がりを見せ(頂点)、
その解決として再現部に進みます。

再現部は第1テーマと第2テーマが
基本的に同じ調性となります。
こうする事で
展開部を経た曲の終盤に
より安定した感じを生み出し、
大きな解決…ひとつの締め括りへと導くのですね。

では実際の曲を例に、詳しく見て行きましょう。

モーツァルトのピアノソナタを見てみよう

W.A.MOZARTのピアノソナタ
KV.570 B-durの第一楽章を例にあげます。

なるべく易し過ぎず、
かつ長過ぎないものを
選ばせていただいたつもりですが…
どうぞお付き合いくださいませ☺️

※五線譜の各段冒頭の数字が小節番号です。

第1テーマは12小節目の1拍目まで。
指示は p ですが
私はそれでもよく響く音で弾きたいと思います。
理由は前回④で述べた通りです。

そのまま同じ調性(B-dur)で別の旋律(推移)が続き、
23小節目から新しい調性(Es-dur)で第2テーマが始まります。
第1テーマとは性格が全く異なりますね。
実はこの転調、先程の表の規則通りではなかったりしています😎

41小節目で、第1テーマがバス(左手)に現れます。
しかし冒頭とは違う調性(F-dur)。
さぁ、これをどう捉えるか。
ここは私は、この調がもたらす色彩のちがいを感じて、
冒頭とは対照的にずっと柔らかく弾きます。

実はここで右手に新しいメロディーが出てきています。
ですがここは旋律もリズムもそれほど大きな変化や特徴がなく、
テーマを弾いている左手(バス)に比べても
地味な存在であると言えます。(酷い?!いえいえ)

右手は軽やかに、左手を聴いて弾きましょう。

80小節目で展開部に入ります。
B-durに始まりF-durで終わった提示部が、
いきなりDes-durに!
F-durからすると
イキナリ(ステーキではありません)♭が4つも増えましたよ!

そして、面白いのが
ここでモーツァルトは p で弾くように指示しています。

さぁ、ここもどう弾くべきか、なのです。
こんなに急激な変化が起きている部分を、
先程の第2テーマ(23小節目〜)のような
安定した部分の p と同じように弾くべきでは無いと思います。

展開部のおわり、130小節目に頂点があります。
この第一楽章のクライマックスです。
そしてこれが133小節目で解決し、
再現部へと続きます。

さぁ皆さん、
この再現部の p 、どのように弾きますか?

冒頭の指示と全く同じですね。

だからと言って、
冒頭と同じように(私ならよく響くpで)お弾きになりますか?

?????

答えは NO です。

何故って、

展開部であれだけ沢山の変化が
ドラマチックに起きたのだから、

ドラマはもういいですよね。

ソフトな音が欲しいと思います。

具体的には
鍵盤の底ではなく、
鍵盤自体の重みを感じながら
音色を探したいと、私は思います。

形式からも楽譜をきちんと見て、作曲家の意図を理解する

ざっとですが、如何でしたでしょうか。

形式を理解することで
曲の出来方や、そこに込められた作曲家の意図を
より深く解釈するための
骨組みを得る事ができると思います。

形式を知ることで、
同じ p と書かれた記号でも
場面のちがいで全くニュアンスが異なることを
教えてもらう事が出来たりします。

今日も、広大で深淵な
音楽の世界へ更なる一歩ですね♪

それではまた次回、ご期待くださいませ。
今日もお読みいただきありがとうございました。

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